犬に手術や麻酔をかけるのは、高齢でも大丈夫なの?

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犬に手術や麻酔が必要、、、でもうちの子、高齢。

リスク高いのでは? 費用はどのくらいかかるのか?

リスクがあっても麻酔をかけて手術をすべきなの?

そんな疑問を、獣医師の観点から、また飼い主としての経験からお話ししていきます。

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私自身、飼っていた猫が胆管癌になり、CT検査のため麻酔が必要となった時麻酔に耐えうるのか、不安であり治療の選択にすごく悩んだ経験があります。

 

この疑問は、診療時に飼い主さんから多く聞かれる内容でもあり、ご家族の最大の不安でもあると思います。

 

犬も高齢化が進んでいて、高齢とともに様々な病気が見つかります。

特に腫瘍が見つかることも多く、犬が高齢でも手術が治療の選択肢の一つとなるケースも多々あります。

手術となると、必然的に麻酔が必要となり、高齢の犬における麻酔のリスクが、治療を決めるにあたり、悩みの種になり、ご家族の不安となる部分だと思います。

麻酔は手術のみならず、内視鏡検査などの検査のために必要となることもあります。

 

今回は、そんな高齢の犬における麻酔についてお話をし、

  • 犬の手術で麻酔をかけるのって、高齢でも大丈夫なの?
  • 犬が高齢だと手術のリスクは高いのでは? 費用も心配。
  • 犬が高齢で手術にリスクがあっても、麻酔をかけて手術をすべきなの?

といった、家族の不安を少しでも軽くできたらと思います。

 

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ペットの高齢化の現状

2010年からの平均寿命の推移をみると、犬猫ともに上昇傾向です。

犬猫の平均寿命

(出所:ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」)

特に2012年から2015年にかけて平均寿命の伸びが著しく、犬は1.0歳、猫は1.3歳伸びていて、現在平均寿命は犬15.3歳・猫14.2歳と言われています。

 

ペットの高齢化の背景としては、「飼育の質の向上」「動物医療の発達」「環境の改善」が関係しているのかと思います。

 

1「飼育の質の向上」

犬や猫にプレミアムペットフードなどのより栄養価の高い食事を与え、ストレスをかけない飼い方をしてあげるようになり、「飼育の質の向上」が長寿命になったと思います。

 

2「動物医療の発達」

ペットに対して人間と同レベルの診断を受けさせたいという家族が増え、CTやMRIといった高度な医療技術が施されるようになったとともに、ペット保険の加入率の増加がペットの長寿命につながっています。

 

3「環境の改善」

ペット産業全体が盛り上がり、あらゆるサービスが普及していくことでペットが過ごしやすい環境が整っています。

野良犬・野良猫の減少が特に大きく平均寿命の伸びに貢献しています。

特に近年では、地方公共団体と動物愛護団体が協力して、犬猫の引き取り・譲渡活動を行っていたり、野良猫に対するTNR(捕獲・不妊手術・元の場所に帰す)活動を行う地域も見られます。

 

加えて、ワクチン接種などで感染症対策が進んでいることもあり、結果として、外に出る猫の平均寿命が延びたと推測されます。

 

ペットの高齢化から生まれる問題

高齢になったペットの問題として、「病気の多様化」があります。

 

人間の高齢化が進むに連れてガンや認知症といった病気が増えたように、犬や猫に関しても、長寿命化に伴って病気が多様化しています。

手術が必要となるケースや入院が長期化するケースも多々あり、ご家族にとっても不安になる状況が長く続くこともあるでしょう。

 

命は大切だから、もちろんしっかり治してあげたい。しかしペットも高齢であり体力的にも精神的にも負担になるのではと、悩まれる方がほとんど。

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手術・入院となれば、獣医師としても体の負担をなるべく少なくして治療を施したいという気持ちから使用する薬剤や検査も増える傾向があり、それに伴い入院費や手術費用も高額になる傾向があります。

高齢化したペットを持つご家族は、病気の心配ととともに費用の心配を生じ、悩むことが多くななります。

 

うちの犬、高齢だけど手術は大丈夫なの?麻酔のリスクが心配。

答えは、「若い子や健康な子と比べると麻酔に伴う危険は起こりやすくなるものの、不可能ではない。術前検査をしっかり行って、状態把握すれば可能」ということが正しいと判断します。

 

犬が手術が必要となった時に、全身麻酔をかける上で特に高齢犬で大切なのは、

 

・持病の有無が分かっていること

・持病がある場合、その病気や症状を治療によりコントロールできていること

 

この2つを獣医師は重要視しています。

この2つをしっかり把握することで獣医師はより安全に麻酔をかけることができるのです。

 

そこで重要になるのが、健康診断・定期検査です。

 

犬猫は、7~8歳を過ぎると一般的にシニア期となります。

シニア期は人で例えると60歳。

シニア期では、健康診断を半年から1年に1度健康診断を実施することが大切です。もし持病があれば、担当医の指示に従った定期検査を受けましょう。

 

健康診断は、自身の犬種や身体検査結果に見合った項目を受けるべきです。

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犬が高齢でも、健康なら手術や麻酔は大丈夫?

健康な子でも、手術前の術前検査はしっかりした内容で行うことが大切です。

 

麻酔薬は呼吸と肝臓で代謝され、腎臓で排泄されています。

そのため、心臓・肺・肝臓・腎臓の機能に問題あると麻酔のリスクが高まります。

 

逆に、高齢な犬でもこれらの機能がしっかりと働いている場合には、「高齢だから麻酔はできない」とはなりません。麻酔前の検査による術前検査の数値が重要です。

 

◆◆主な具体的な麻酔のリスク

1)循環障害
2)呼吸障害
3)肝機能障害
4)腎機能障害
5)神経症状
6)ショック症状
7)精神症状
8)心停止
9)アナフィラキシーショック(麻酔薬に対するアレルギー)
10)誤嚥性肺炎
11)膵炎

 

◆麻酔のリスクが高くなる例

1)心臓に問題がある場合、心臓のポンプ機能が停止しており、血液の循環不全を起こしやすいため

2)肝臓に問題がある場合、麻酔薬の代謝機能が低下して麻酔効果が予測できなくなるため

3)腎臓に問題がある場合、麻酔薬の排泄機能が低下して麻酔薬の作用・調節に影響を及ぼすため

4)神経に問題がある場合、特に脳圧が高くなる病気の場合に、脳への血流が行き渡らなくなるため

5)短頭種の場合、特緒的な顔の作り(外鼻腔狭窄、軟口蓋過長、気管低形成など)により呼吸障害を起こしやすいため

6)肥満動物の場合、胸まわりの厚い脂肪で胸が膨らみにくく、換気が悪くなりやすいため

7)幼い子の場合(3ヶ月齢未満)は麻酔に関係する様々な臓器の機能が未発達であるため

8)高齢動物の場合、全身臓器の予備機能(急な変化に対応する力)が低下するため

 

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麻酔に気をつけたいペットの特徴

短頭種

パグやブルドッグ、ペルシャやエキゾチックショートヘアなどの短頭種に分類される子たちは鼻腔が小さいため、全身麻酔をした際に自発呼吸が難しくなり、呼吸困難に陥りやすい傾向があります。

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高齢

高齢のペットは体力の衰え以外にも呼吸器官の低下も見られます。若い子に比べ、高齢の子の方が全身麻酔によるリスクは高まります。

 

心臓や呼吸器系に持病を抱えている

肥満などで心臓や呼吸器系に持病を抱えている子も大変リスクが高くなってきます。使用できる麻酔の量や薬も限定されてしまいます。

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犬の手術。麻酔をかけてでも、やったほうが高齢な犬にとって、良い場合がある

まず大前提として、全身麻酔なんてしない方がいいです。

 

小動物における麻酔関連し、つまり全身麻酔そのものが直接的な死因になってしまったという確率は、犬で0.1~0.2%、猫では0.2~0.3%と言われます。

もちろんこのデーターの中には、厳しい状態での生死をかけた緊急手術や、脳外科や心臓外科などのハイリスクな手術も含まれています。

 

このような危険性があることを知りつつ、あえて麻酔をかけることを選択するのは、麻酔をかけてでもやってあげたほうが、その子の状態をよくしてあげることが期待できるから。

つまり、麻酔を上回る、何かしらのメリットがあると確信しているからです。

 

このことは避妊手術や去勢手術であったり、歯石をとって歯周病を治療する歯科処置にも言えることです。

麻酔をかけることは、確かにリスクです。

ただそのリスクが十分に少なく、麻酔中にやってあげられる検査や処置、手術によって得られる利益が明らかに大きい場合には、やった方が良いと考えます。

 

獣医師から見た、犬が高齢でも手術を・麻酔をするリスクへの考え

ヒトと同様、病気は高齢の子に多く発生します。

私自身、長きに渡る臨床経験で多くの高齢の犬に手術を治療の選択肢の一つとして、提案してきました。その都度飼い主さんが心配されるのが、高齢だけど麻酔は大丈夫なのか、ということ。

 

もちろん高齢である以上、若い動物よりリスクがあります。しかし、麻酔のリスクを最低限にするため、きちんと全身精査を行い全身の状態把握を行うという準備をしっかり行うことが重要です。

そうすることで、ご家族の方もそして私たち獣医師にとっても安心して麻酔がかけられる状態にしていくことができ、それが麻酔のリスクを最低限にする唯一の方法です。

 

そのことをよく理解し、手術のメリットデメリットの説明をしっかり受け、納得した上で手術に臨む体制が何より重要となります。

 

同時に、費用は高額となります。

やむをえないことではありますが、犬が高齢である以上術前検査に多くの項目が必要となり、また麻酔量を減らすため睡眠導入剤や抗不安薬などを併用するため費用はかかります。

 

ただ、術前検査や麻酔のリスクを減らす処置をしっかり行うことで、術後の経過や体調を良好にできる可能性が高く、術後の容態を安定化させることで、入院期間を短くすることができたり、術後を良好な状態にすることで術後管理が容易になり費用を抑えることにつながります。

そのためにも、手術に臨むための費用は出し惜しみしないで欲しいです。

 

とはいえ、現実は高額の費用となります。その対処法として、高齢でも入れる保険は最近では多くなっているため、ペット保険を最大限に活用してほしいと思います。

 

実際私の猫も胆管癌が判明した時、入院やCT検査、治療もろもろで100万円以上費用がかかり、高額な費用の負担を感じた経験があります。

ご家族の不安を少しでも減らすための一つの方法として、ペット保険の重要性を感じています。

 

最近では多種多様なペット保険があります。獣医師の立場であってもこの多種多様にあるペット保険を全部把握するのは困難なほどです。ましてや、各保険の特徴を把握もできません。

そこで利用していただきたいのが、比較するサイト。

このサイトは、年齢や自身のペットの既往歴から、適したペット保険を選ぶことが可能となっています。まず資料請求してみると、高齢の犬とともに暮らすご家族の不安を少し軽減できると思います。

 

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まとめ

犬が病気になり手術や入院治療が必要になった時、犬の高齢を実感するとともに病気が良くなるかどうか、家族にとって心配と不安でたまらない気持ちになります。

 

ましてや手術などで麻酔が必要となればなおさら。

 

犬の辛さを治療によって取り除いてあげることはできても、犬の不安を取り除いてあげることができるのは家族だけ。

しっかり支えるという強い意志を持って、犬が高齢となった今の体の状態を把握し受け止めると同時に、治療のメリットデメリット、必要に応じて麻酔処置や手術をするメリットを天秤にかけ、治療方針を立てていく必要があります。

 

同時に、少しでもご家族の経済的な不安を減らすため、ペット保険を検討し、自身に適した保険を検討することで、ご家族の不安を解消して、おうちでは犬との穏やかな時間を作っていくことが大切であると考えます。

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ご家族の不安な気持ちは、犬は敏感に感じるもの。

ご家族が不安な気持ちでいると犬も不安になり、ストレスとなり体調が左右されることもあります。

不安を犬に感じさせず安心して治療に専念でき、穏やかな時間をすごしてもらうことで、ご家族との良い時間を過ごせることができるはずです。

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