ペットの投薬、どのようにしてますか?投薬のやり方と投薬ツールおすすめ5選!
見に来てくださり、ありがとうございます!Burubio.comのBioです。都内で獣医師をしています。よく相談受けますが、ペットの投薬って悩みますよね。投薬が負担・・・って方も多いのではないでしょうか?どうやってあげよう・・なかなか飲んでくれないし、ぺって出されちゃう・・・と、投薬の悩みをお持ちの飼い主さんも多いと思います。
今回は、そんな飼い主さんのストレスでもある「投薬」についてです。この記事読んで、投薬のストレスがなくなった!!という方が増えると嬉しいです。
投薬とは
意味
投薬に似た言葉として「服用」「服薬」という言葉があります。「服用」も「服薬」も、薬を飲む事という同じ意味を持っています。「服薬」は、薬剤師の指導のもと、正しく薬を飲むという意味で主に使われる言葉です。一方の「服用」は、薬剤師の指導のもと正しく薬を飲む場合も、市販薬を注意書きだけを頼りに飲む場合にも使われます。よって、薬剤師が薬の飲み方を指導することを「服薬指導」と呼び、「服用指導」とは言いません。
「服用」「服薬」は、薬を飲む行為のことで、すなわち患者の立場の言葉。「投薬」という言葉は、薬を与える側の立場に立った言葉です。
英語
因みに英語だとdosage,medication,dosingと言います。
薬の飲ませ方の基本
ペットに薬を飲ませる方法をご存知ですか?お薬を始めて飲ませる時に、獣医師さんに教えてもらったことがあると思います。ここでは、錠剤やカプセルの飲ませ方を簡単にご紹介します。
大人しくせず、どうしても嫌々と動いてしまうペットへの投薬方法としては、飼い主が正座して足の間に飼い主とペットが同じ方向向くようにペットを挟むように入れ、背後からペットの口の横を左手で挟み、右手で投薬する方法がお勧めです。
体格が大きいペットは、足に挟むことも困難なため、ペットがすっぽり入る箱を用意してそこにペットを入れて、身動きがあまりできない状況を作り、投薬するとスムーズに投薬ができます。
また特に猫の食道は、犬に比べて食べ物の通過時間が長く、食道内に薬がとどまりやすい傾向があります。人もそうですが、猫も薬が食道内に長くとどまっていると、食道に炎症が起こり、食欲不振や嘔吐・よだれなどを引き起こすリスクが高まります。錠剤やカプセルは、口の中や食道に張りつきやすいので、必ず少量の水を飲ませましょう。
投薬用ちゅーるって知っていますか?
投薬に手こずる方も多いと思います。しかしペットが病気になると、どうしても投薬が必要に・・・。そんな時に活躍してくれるのが、多くの犬・猫が大好きなちゅーる。でも、せっかく大好きだったちゅーるが投薬に使用したのをきっかけに嫌いになってしまうケースも増えています。そうならないよう開発されたのが、投薬用ちゅーる。お薬が苦手なペットは活用してみる価値アリです。
動物病院専用 CIAO ちゅ~る投薬用
犬や猫に薬を与えるために特化したちゅーるになります。ちゅーる好きの犬や猫なら、まず確実に食べてくれるでしょう。おやつ感覚で薬を飲めるので、薬が苦手なペットにおすすめです。
特徴や購入方法などについても紹介します。
投薬用ちゅーるの特徴
猫用 投薬用ちゅーる
●普通のチュールより粘度が高い
投薬用ちゅーるは、普通のちゅーる(マグロ味)と比較して、粘度が約4倍です。粘度が高いので、薬を包やすい程よい柔らかさとなっています。普通のちゅーると異なり、袋の先端から垂れることもないので、与えやすいです。
●カロリー・塩分が控えめ
普通のちゅーるのカロリーは、1本約7kcalです。一方、投薬用ちゅーるのカロリーは、1本約5kcalと控えめになっています。カロリーを控えたい愛猫にも、安心して与えることができます。また、投薬用ちゅーるは、普通のちゅーるよりかなり塩分が控えめになっています。腎不全や心臓疾患などで塩分を控えたい猫にも普通のちゅーるを利用するよりおすすめです。
●フレーバーはマグロ味のみ
フレーバーが豊富なちゅーるですが、投薬用ちゅーるは、マグロ味のみです。普通のちゅーるのマグロ味よりマグロ含有比は4倍とのことです。
●動物病院で購入できる
投薬用ちゅーるは動物病院専用で、動物病院で購入できます。普通のちゅーると異なり、一般のペットショップなどでの購入はできません。
●あくまでおやつです!
投薬用であり、動物病院専用となっているので、療法食と勘違いしてしまいそうですが、療法食ではありません。あくまでおやつですので、普通のちゅーると同じく1日4本までとなっています。特に療法食を食べている愛猫には、与えすぎないよう注意しましょう。
動物病院専用 猫用 投薬用ちゅ〜る まぐろ 乳酸菌1000億個 12g×50本入り [ちゅーる]
犬用 投薬用ちゅーる
●高い粘度
エネルギーちゅ~るの4倍の粘度。
●高い嗜好性・カロリー控えめ
高い嗜好性で作られ、しかもカルシウム・乳酸菌配合。腸まで届く「殺菌乳酸菌」が配合されています。投薬用ちゅーるはカロリー控えめで、1本約6kcalです。体重維持やダイエット中の犬にも安心して使用できます。
●フレーバーはとりささみ味のみ
犬用投薬ちゅーるは、とりささみ味のみ。鶏肉アレルギーさえなければ、みんな大好きな味となっています。
●動物病院で購入可
猫用投薬用ちゅーる同様、動物病院専用です。購入時は気をつけましょう。
与え方
1日4本まで与えて大丈夫です。封を切った先端から出てくるちゅーるで、薬を包み込むようにして、あとは普通のちゅーると同様に与えます。粘度が高いちゅーるなので、粉薬もこぼれずに包み込むことができます。
購入するには?
動物病院で購入する
上記の通り、投薬用ちゅーるは動物病院で購入できます。薬の処方を受けた時に、獣医師さんに相談してみましょう。動物病院にもよりますが、1本70~100円前後で購入できます。
動物医薬品販売許可のある通販サイトで購入する
投薬用ちゅーるは動物病院専用なので、一般の通販サイトで購入することはできません。しかし、「動物医薬品販売許可」のあるサイトでは購入できます。
動物医薬品販売許可は、各都道府県に申請して得られるもので、6年ごとに許可の更新を受けなければなりません。通販サイトを利用する場合、必ずそのサイトの「会社概要」をチェックして、動物医薬品販売許可を得ている頃を確認しましょう。
獣医師がお勧めするその他の投薬用ツール 5選!!
すごくユニークな商品、かつ犬も猫もとても嗜好性が高く、実際の臨床現場でも大活躍してくれています。文句なしの1位!
「おくすりちょーだい」はチーズ味で、ほのかな甘味もあるので、くすり嫌い犬・猫も喜んで飲んでくれます。チーズ味という点に加え、薬の混ざりがスムーズで、水溶性だからベタつかず水薬にも使用できるというのが大きな特徴の商品です。
飽きのこない嗜好性で、長期投与の必要な愛犬でも使用可能であり、また植物油脂(菜種油)で作られているため猫も抵抗なく食べてくれます。もちろん、合成着色料・合成保存料等の添加物を一切使用していません。
使い方簡単!
「おくすりちょーだい」を皿にとって、薬を入れて混ぜて、与えるだけ。粉薬や水薬だけでなく、錠剤もすこし砕いて混ぜることができます。
チキン味で、チキン付きの子にはたまらない投薬ツール。柔らかい独自の形状で、簡単に薬を包み込んで隠すことができます。主原料は100%自然素材を使用していて、第一主原料はチキンを使用しています。高い嗜好性で犬猫自ら食べてくれます。抜群の投薬成功率が示されていて、犬で100%、猫では62.5%で成功とされています。
栄養学に基づいた犬と猫のプレミアムペットフードおよび食事療法食を展開するロイヤルカナン ジャポンが開発した投薬用ツール。ピルポケットとは異なる味で、こちらもピルポケットに負けずと人気の商品です。
「ピルアシスト」は嗜好性・形状・栄養バランスにこだわって開発された製品で、犬用はもちろん嗅覚が優れ、苦味を感じやすく薬への抵抗が抵抗が強い猫用もあります。
犬用ピルアシスト
苦味のある偽薬を犬用ピルアシストで包み、複数の犬に1日2回計5日間与えたところ98%のケースで投薬に成功しています。さらにビタミンおよびプレバイオティクスが配合されていて、1個約10kcalと、投薬補助にふさわしい成分とカロリー密度に調整されています。
猫用ピルアシスト
「ピルアシスト」と偽薬を用いて半年にわたる嗜好性をロイヤルカナン 社で検査したところ、結果91%の猫が自発的に食べる高い嗜好性が実現された商品。嗅覚の鋭い猫に薬の匂いが漏れないよう、ロイヤルカナン独自の製法により、様々なタイプの薬を包んで隠せる柔らかい形状です。ビタミンとプレバイオティクスが配合され、1粒あたり3kcalという投薬補助食に適したカロリー密度となっています。
購入方法
ピルアシストは獣医師の診察と指導が必要な製品なため、動物病院での購入可能となります。
腎臓や心臓が悪い猫にも安心して与えられ、また高齢でカロリーを多く与えたい猫にも適している猫用ペースト「ビオナチュレ」。その理由は、
POINT1 低リン・低ナトリウム
高齢猫がかかりやすい病気である腎臓病に拝領して、腎臓にやさしい配合。
POINT2 保存料・着色料不使用
化学調味料を一切使用しておらず、厳選した人用原料のみで作られているので、長期にわたる使用も可能です。
POINT3 厳選した人用原料のみを使用
青魚・鮭の風味が立つように、できるかぎり素材の美味しさを生かす製法で作られています。
国産鮭:アスタキサンチンが豊富でDHA/EPA/ビタミンDなども多く含有
北欧産スプラット:DHA/EPAがとても豊富で、北欧の海で取れた天然の青魚を使用
ビオナチュレ 投薬補助トリーツ(スプラット・鮭)
♢スプラット
原材料:スプラット、DHA含有精製魚油、ヤギミルク、食物繊維、グアガム、食塩
エネルギー:1本あたり10kcal
♢鮭
原材料:国産鮭、サーモンオイル、。ヤギミルク、食物繊維、グアガム、食塩
エネルギー:1本あたり13kcal
ビオナチュレ カロリートリーツ(スプラット・鮭)
♦︎スプラット
原材料:スプラット、DHA含有精製魚油、食物繊維、グアガム、食塩
エネルギー:1本あたり15kcal
♦︎鮭
原材料:国産鮭、サーモンオイル、食物繊維、グアガム、食塩
エネルギー:1本あたり18kcal
食物アレルギーのある犬にも使える投薬用ツール。お薬を包んで、ストレスなく投薬が可能です。
特徴
POINT1 主要アレルゲン35品目を完全排除した低アレルゲン
食物アレルギー用療法食を食べている愛犬にも与えられます。
POINT2 チーズ風味。でもチーズを含むたんぱく質原料は使用していない。
POINT5 国産で化学的防腐剤。防カビ剤など使用していなく、しかもグルテンフリー
使用していない原材料名(特定管理アレルゲン17品目)
牛肉、羊肉、鶏肉、豚肉、七面鳥肉、あひる肉、鮭、たら、なまず、ししゃも、卵、乳、大豆、小麦、とうもろこし、米、じゃがいも
使用してない原材料名(準管理原材料18品目)
かつお、いわし、さば、まぐろ、にしん、あじ、かれい、大麦、ライ麦、オーツ麦、エンドウ豆、落花生、りんご、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、トマト、キャベツ
原材料名
ホワイトソルガム粉、グリセリン、加工デンプン(タピオカ由来)、黒糖蜜、セルロース、カルシウム、香料、ビタミンE
エネルギー
1粒約2.6g当り/8kcal
この他の投薬方法
犬猫用補助食品 サイペット フレーバードゥ
犬猫用補助食品 サイペット フレーバードゥソフトチューズ
オブラート
粉薬におすすめの方法。薬をオブラートに包み、ドライフード用のふりかけや猫用かつお節を振りかけて、薬の味や匂いがしないようにします。オブラートを軽く水で湿らせてからふりかけをかけると味がまんべんなくつくのでお勧めです。
カプセル
オブラートと同じく、しっかり密閉することで、薬の味や匂いを閉じ込めます。市販されている人用のカプセルを使用しても大丈夫。できるだけ小さなものを選ぶと、猫も飲み込みやすいでしょう。
ブロックの刺身や肉で
刺身や肉を小さなブロック状に切り、その中に錠剤やカプセルを入れて犬や猫に与えます。切れ目を入れると、錠剤・カプセルを入れやすいでしょう。匂いに敏感な場合、オブラートで包んだものを入れると良いかもしれません。
投薬用カレンダー
お薬は毎日朝晩投薬する必要があるものもあれば、1日1回や2日に1回、3日に1回の間隔で投薬指示されることがあります。また10日後に投薬しなければいけない場合もあり、そうなると投薬も忘れがちです。
そんな時に大活躍してくれるのが、投薬用カレンダー。投薬必要な日にカレンダーのポケットにお薬を入れておけば、忘れず投薬ができます。また、心臓病で複数のお薬を飲んでいる場合や、複数の家族でお薬を管理している場合、投薬したかがわからなくなるケースが多いため、そんな状況にも、このカレンダーは多いに役立つため、使用をお勧めしています。
投薬禁忌リスト~投薬ツールとして使用してはいけない食べ物~
基本的にご存知の通り、匂いが強いもの・アクが強いものヒトのお菓子は厳禁です。
にんにく・ネギ類やチョコレート・キシリトールは中毒を引き起こす可能性があります。また、ぶどうやアボガド、観葉植物も与えてはいけません。アボガドは、アボガドに含む「ペルジン」という成分が胃腸障害や痙攣といった神経症状を引き起こす可能性があります。「ペルジン」はヒトにとっては無害な成分のためヒトには中毒症状は起こりません。またこの「ペルジン」は品種によって含有量が異なり、日本で多く流通しているグアテマラ種は非常に多くを含有しているようです。
また、意外と知られていないぶどうはペットに急性腎不全中毒を引き起こします。摂取してから数時間で腎不全を引き起こし、死に至らしめてしまうこともあります。実際、私自身ぶどう摂取による中毒症状を患ったパピヨンに遭遇した経験があります。その飼い主であるお婆様が、旬の食べ物を食べさせたく与えたのがきっかけでした。一命は取り止めましたが、慢性腎不全となり短命となってしまいました。ぶどうによる強い中毒を引き起こすメカニズムは分かっていなく、農薬や殺虫剤、カビなどの汚染が疑われていますが、今のところは身よりも皮の方が危険性が高いようだと言われているのみです。
因みにブロッコリやキャベツは多く与えすぎるとストラバイト結晶の発症の原因物質となりうるため、与える量に注意が必要です。
まとめ
ペットに薬を与えることに苦労している飼い主さんは意外と多く、皆一度はどのように与えるか悩んだことあると思います。ましてや発作持ちや心臓病・腎臓病にかかっている場合、投薬期間も長期になり、いかにストレスなく楽しんでペットがお薬を飲んでくれるかが継続の鍵となります。
今回ランキングに選んだ商品は、実際臨床現場でも使用していて、ペットの嗜好性が高いと実感できる商品です。”病は気から”という言葉もあるように、ストレスの中投薬治療を続けるよりも、ストレスなく投薬治療をしている方が、病気の治癒も早いと思います。これらのツールを使ってペットが喜んで薬を飲んでもらい、飼い主もペットもストレスなく投薬治療を行い、病気を治していきましょう。ただし、あくまでもこれらのツールはおやつに相当するものであり、療法食ではないため、与えすぎには注意しましょう。