私も愛用している飲むタイプのコエンザイムQ10
皆さん9月10日は、何の日かご存知でしたか?
過ぎてしまいましたが、そうコエンザイムQ10の日だったそうです。笑(企業談)
コエンザイムQ10は、皆さん聞き慣れた成分だと思います。耳に入るQ10は、ほとんどが化粧品などの美容商品に含まれるものですが、今回は内服タイプのサプリメント。そもそも若返り成分としてのイメージが強いですが、その効果が期待できる理由はコエンザイムQ10は細胞の中にあるミトコンドリアに働きかけることにあるんです。となると、皮膚を通して吸収される化粧品などより内服の方が効果は期待できそうですよね。では、実際にコエンザイムQ10の作用機序や期待できる効果についてお話します。きっと、この話を読むと女性の方や働き盛りの世代は試したくなるはずです。
実際、コエンザイムQ10の事を知って現在私自身愛用していますが、効果を感じています!(なので、胸を張ってオススメしたいんです!)
コエンザイムQ10
コエンザイムQ10って?
コエンザイムQ10は、もともと動物のほとんど全ての細胞に存在する補酵素。主な働きは、細胞の中に存在するミトコンドリアの中で、ATP(エネルギー)の産生に関与しています。また抗酸化作用もある優れもの。特に心臓・肝臓・腎臓などエネルギーを多く必要する組織において、特に高濃度に存在します。よってコエンザイムQ10は、ヒトではうっ血性心不全の治療薬として広く使用されるようになり、2001年以降は、食品成分としての利用も認められています。
酸化型?還元型?
しかし、従来のサプリメントなどに使用されてきたコエンザイムQ10は、酸化型でした。コエンザイムQ10には酸化型と還元型があり、近年還元型のコエンザイムQ10の方が生体内に存在するQ10と同じタイプであり、抗酸化能や生体内への吸収が優れているということが研究により報告されています。そして、驚くことに抗酸化作用は還元型のみが示すようです!抗酸化作用を発揮して酸化型に戻ったQ10は、NQ01という酵素によって還元型に変換されますが、そのNQ01活性は加齢とともに低下することからも、特に高齢な動物においては還元型コエンザイムQ10を摂取することが有利と言われています。それを証明するかのように、老化促進モデルマウスに還元型コエンザイムQ10を投与することにより、老化の進行が抑制されることも判明しました。実際ヒトにおいて、還元型コエンザイムQ10の摂取が、高齢者のQOL(Quality of Life:生活の質)を改善すという報告や、アスリートにおけるトレーニングの効果を高めるといった報告もされています。
なぜ、コエンザイムQ10が必要?
もともと体内に存在するコエンザイムQ10量自体も、加齢やストレスを受ける事で減少とされていて、体内のQ10量と生理機能との関連性に注目し、様々な疾患や体調に対するコエンザイムQ10の作用に関して多くの臨床研究が実施されています。その研究対象は、心不全、高血圧などの循環器疾患、パーキンソン病や多発性硬化症などの神経変性疾患、男性不妊症、慢性疲労症候群、片頭痛、歯周病、運動パフォーマンスなど多岐にわたります。
このコエンザイムQ10の有用性が今、ペットにおいて話題となっています。
それは、日常診療で高頻度に遭遇する皮膚被毛疾患に罹患した高齢犬で、発毛効果をもたらすというものです。実際に私自身、ポメラニアンにおけるアロペシアX症(ポメ脱毛症)の症例に処方したところ、今まで苦慮しなかなか丘疹・脱毛に対する治療の改善がみられなかった皮膚が、1ヶ月後見事に発毛が見られただけでなく丘疹の改善もみられ、今ではすっかり通常のポメラニアンらしくフサフサの毛になっています。この還元型コエンザイムQ10による発毛メカニズムとしては、ATP(エネルギー)生合成賦活作用および抗酸化作用に起因する皮膚の活性化が、そして炎症・痒みの軽減の効果のメカニズムとしては、薬剤に対する反応性の増強による炎症・痒みの軽減が考えられています。しかし、詳細なメカニズムはまだ不明な部分が多くあります。
また発毛への期待だけでなく、脳梗塞や血栓塞栓症に対しても効果があり、動物用サプリメント「ハートアクト」にもコエンザイムQ10は含まれていて、実際これらの疾患への有効性も証明されています。
因みに気になる副作用としては、ヒトでは稀に皮膚の発赤、湿疹等が生じることが報告されていることを除き、臨床上問題となる有害事象の報告はありません。
様々な疾患において、ATP(エネルギー)の生合成低下および酸化ストレスがその原因の1つであることが知られているため、特に獣医臨床における「ベースアップサプリメント」としての「還元型コエンザイムQ10」の位置付けは非常に興味深いと思います。そしてこのサプリメントは、基本的に単独で作用するというよりも、医薬品や療法食など様々な治療法の補助的な作用を期待するものとされていますが、使用方法によっては劇的な効果がみられ、有用な結果が得られることもとても魅力的な点だと思い、これからも様々報告に注目していきたいサプリメントです!