猫の腫瘍〜犬と一緒ではないんです 〜

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猫の腫瘍〜犬と一緒ではないんです 〜

意外にも猫の死亡原因の1位は、ダントツで腫瘍なんです!

腎不全が死亡率1位と思われがちですが、犬同様やはり腫瘍が一番の死亡要因です。

この事実は1998年にマーク・モーリス研究所が発表しているデーターがあり、かくにも私が飼っていた猫も癌で亡くしています・・・。11歳11ヶ月と一般的に示される寿命年齢より若い年齢で腫瘍にかかり腫瘍もとても悪性度が高かったため、発覚した時には絶望感に襲われ、とても辛い思いを経験しています。可能ならば病気で辛い身体を代わってあげたい・・・・。少しでも辛さをとって、穏やかな時間を多く作ってあげたいそんな一心で治療をしました。この経験が、今の私にとって獣医師としての治療に対して、そしてご家族へのケアをより深いものにさせてくれているようにも思っています。

これだけ、ペットとそのご家族を悩ませ苦しめている腫瘍について、皆さんに知ってもらい役立ててもらいたく今回、猫の腫瘍についてお話します。

腫瘍発生状況

猫の腫瘍は有意に高齢(9.9±3.8歳齢)で発生し、性別による発生頻度では雌に多くなります(雄:雌=1:1.4)。また猫の悪性腫瘍確率は90.7%であり、猫の腫瘍のほとんどが悪性腫瘍となります。

では、臨床現場で認められるいくつかの腫瘍に焦点を当て、犬猫双方の違いを交えその病態を解説していきましょう。

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皮膚・皮下織の腫瘍

皮膚に発生する腫瘍は、犬では約7割が良性、猫では約7割が悪性と言われています。中高齢の犬によく見かける脂肪腫やカリフラワー状の腫瘍などは猫ではほとんど見られません。したがって、高齢の猫での皮膚・皮下織腫瘍に対しては、ただのイボではないという意識を持ち、できるだけ早急に対応する事が望ましいです。

犬・猫の皮膚・皮下織に発生する悪性腫瘍第1位は肥満細胞種ですが、続いて扁平上皮癌・ワクチン接種部位肉腫及び線維肉腫がほぼ同率の割合で認められています。いずれの腫瘍も遠隔転移性はそう高くありませんが、周囲への浸潤性が強いために何度も再発に悩まされる腫瘍であるため注意が必要です。

肥満細胞腫

犬におけるグレード分類システムは適応されず、猫独自のグレード分類システムが必要となります。

●組織球型→予後良好 ほとんどが自然退縮するため経過観察で良い。

●緻密型(集簇型)→50-90%がこのタイプ。比較的良性の挙動を示す。

●広汎型(拡散型)→再発や転移が認められた肥満細胞腫。予後不良。

治療は外科療法、化学療法が適応となります。

乳腺腫瘍

犬と猫の乳腺腫瘍は、悪性度も発生率も大きく異なります。

犬の乳腺腫瘍の発生率は、雌犬全腫瘍中の50%と言われていますが、猫は雌猫全腫瘍中の17%にどとまります。これは犬の半分以下ですが、しかし猫の乳腺腫瘍の85%以上が悪性腫瘍と言われ、腫瘍の挙動は激しいものとなります。犬の乳腺腫瘍の悪性:良性は50%:50%に対して猫は浸潤性が強く転移性も高度となります。そして猫の乳腺腫瘍の大きさが3cmより大きい場合、その中央生存期間は4-6ヶ月とも言われています。治療は乳腺腫瘍摘出の外科治療となりますが、犬では部分摘出も治療の選択肢として挙がられますが、猫の場合どんな大きさの腫瘍でも再発率が高いため、片側摘出術が推奨されます。また、術後の化学療法も予後のために実施が推奨されます。乳腺腫瘍の発生を予防するために猫においても早期発見はもちろん、早期における卵巣子宮摘出術が重要です。

骨腫瘍

猫の原発性骨腫瘍はほとんど少なく、しかしいったん発生するとほとんど悪性です。この悪性腫瘍は主に骨肉腫で、犬にとってこの骨肉腫は極悪なものであるのに比べ、猫は基本的にそこまでの強い転移性は示しません。予後も、犬は中央生存期間が110日と言われるのに対して、猫は2年と大きな差があります。とは言え断脚手術が必要となる為、命を救うためとは言え高いところが大好きな猫がジャンプに欠かせない脚を無くしてしまうのはどれほど辛いものかを考えると、なんとかしてあげたくなる腫瘍には変わりありません。

まとめ

このように猫の癌は厄介なものがとても多いのです。

しかも彼・彼女らはギリギリまで自らの苦しい状況を伝えようとしません。よって、犬と同じように気軽に早期発見・早期治療を私たち獣医側も口には出来ません。そんな切羽詰まった状況の戦いを私たちはなんとか救えるよう治療を行なっているのも事実です。少しでもこの状況を脱する為には、毎月の身体チェックと少なくとも1年に1度の健康診断が重要であると考えます。

猫は外出が苦手だから・・・ということで動物病院を避けるのではなく、子猫のうちから予防薬やフードの相談・体重チェックを兼ねて毎月動物病院にいく習慣をつけ、病院に行くことに慣らし、いざ入院が必要になったときの猫の入院環境に対するストレス軽減を前もってケアしてあげましょう。

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