猫の便秘
いつもブログを見ていただいて、ありがとうございます。BurubioブログのBioです。最近、便秘の猫ちゃんを診ることが多く、辛さもわかるので、記事にしました!
猫の便秘って意外と多いんです。
猫って便秘になりやすいって知っていますか?ペットを飼っているヒトは、少しでもペットの状態や体調の些細な変化を少しでも把握できるよう、食欲や元気があるか、排尿や排便はきちんと良いものをしているか、気にかけ過ごしていることと思います。
その中でも特に排泄に気にかけてもらいたいのが、猫。
泌尿器系のトラブルが多いだけでなく、実は便秘にもなりやすい動物なんです。しかも、猫の便秘は重篤な病気が原因となることもあるため、軽く考えてはいけません。
今回は猫の便秘がどういうものかをお話ししていきます。それと共に、便秘解消マッサージ法や便秘の時に与えて良いものやダメなもの、飼い主さんにできる予防や対策について解説します。
便秘って辛いにゃ〜。便秘を知って、早く気づいて欲しいにゃ。
猫が便秘で嘔吐?
そもそも便秘とは、大腸内の便の通過時間が遅くなることです。便が固くなり、ウンチの回数や量が少なくなった状態をいいます。
便秘を放置すると、猫は食欲や元気がなくなるだけでなく、力みすぎて嘔吐します。嘔吐の症状が見られるまで便秘が進行すると、原因によっては命に関わる場合もあります。
この他の便秘症状
「力むすぎて嘔吐」の症状以外にその前兆として幾つかの症状が見られることがあります。下記の症状が見られた場合、便秘かもしれません。
・ウンチをしようとするが出ていない。
・ウンチをする姿勢の時、聞いたことのない声で鳴く
・お腹を触ると痛がる
・元気、食欲がない
・時々ウンチをするが、最初は固くて大きくて最後は下痢に近いウンチをする
・ウンチのようなものを吐く
・お尻を触ると、過剰に嫌がる
・尿失禁をする
・水を飲む量が少ない
猫の便秘の原因ってなに?
大きく分けて、6つあります。
①足腰の異常
足や腰の骨、骨盤、関節や筋肉、神経などに問題があると、排泄時に思うように踏ん張ることができず、便秘を引き起こします。
馬尾症候群といって、加齢性変化によって腰部痛が起きたり、交通事故によって骨盤骨折が起きて骨盤が狭窄してしまったり、また腫瘍によって直腸が細くなってしまったり・・・。一番多いのが巨大結腸症といって、直腸の筋肉が弛緩してしまうことで便が肛門へと移送されず、直腸内で停滞してしまう状態です。
②腸がウンチ以外の物で詰まってしまう状態
ウンチの通り道である腸が詰まって、ウンチが流れなくなってしまう状態です。
原因としては、異物(おもちゃ、紐、植物などの誤食)・腫瘍・会陰ヘルニア・肛門が小さい・骨盤が小さいなどがあります。
③炎症による痛みでウンチが出ない
腸や肛門、その周りが炎症を起こすことで、痛みでウンチが出ない状態です。病気としては、肛門周囲瘻(肛門の近くに穴が出来てしまう病気)・腸の炎症・肛門腺膿瘍(肛門線が膿んでしまう病気)などがあります。
④代謝や内分泌の異常によるもの
代謝異常では、脱水によって便秘が起きたり、重要なイオンであるカリウムが低かったり、カルシウムが高いことで便秘が起きます。
内分泌の異常とは、ホルモンバランスが崩れることで起こるもので、甲状腺機能低下症や肥満、二次性栄養性上皮小体機能亢進症(カルシウムが高くなる病気)などがあります。
⑤お薬の副作用
麻薬系の鎮痛薬や利尿剤などは便秘を起こすことがあります。
⑥環境やストレスによるもの
猫は繊細で、きれい好きな動物です。汚れたトイレ、慣れない環境、ストレスがかかる環境に置かれると便秘になる可能性があります。
便秘は、何日くらい便が出ない事をいう?
本来排出されるべき便が、お腹の中に残っている状態が「便秘」です。丸2日便が出ていなければ便秘と言えますが、たとえば便が出ていても硬くて小さいポロポロしたものであれば、それもまた便秘といえます。
治療法は?
猫の便秘の治療は、基本的に人と同じように、内服薬で便を柔らかくする治療や、浣腸などの処置が中心です。それでも自力で排便することが難しい場合には、獣医師が手を使って排便を助ける『摘便』という方法をとります。しかし、重度便秘になると摘便でも手に負えなくなるため、大腸を切除する手術を行うこともあります。
早急な受診
便自体も消化管の動きも正常なのに、排便時に痛みがあるため我慢してしまい便秘になるケースがあります。これは、肛門疾患や直腸の炎症、骨盤や四肢の骨折などが原因となります。これらが原因で便秘が起こっている場合は、痛みの原因を治療により取り除けば、便秘は改善されます。便の通り道が狭くなり便秘になるケースもあれば、腸が伸びきった状態になり排便困難になることもあります。また、神経の問題で排便障害が起き、便秘になるケースとしては、脊髄疾患、椎間板疾患などがあります。どの病気も経過をみて治るものではありません。排便しづらい様子がみられたり、便が細くなったり平たくなったりする場合は、早い段階で受診するようになりましょう。
薬
●内服薬
便を柔らかくする薬や大腸の動きを促進するお薬を使って、便秘解消を行います。また、処方食を併用することで、さらに大腸の動きを活発化することでより、便通をよくします。
●浣腸
生理食塩水を注入する浣腸や指で肛門付近にとどまっている便を出す摘便があります。重度の便秘時に、これらの処置を行います。猫に負担がかかる処置でもあるため、重度の便秘になる前に病院へ相談しましょう。腸が破れて死亡する可能性もあるため、必ず動物病院で処置してもらいましょう。また、人間用の浣腸を使用するのは、愛猫を命の危険にさらします。たとえ赤ちゃん用の浣腸であっても、絶対に使用は控えましょう。
便秘対策のサプリメント
ペット用のサプリメントを、用量を守って与えるのも良いでしょう。代表的なアプリメントとしては、腸内の善玉菌の一種である乳酸菌や、可溶性線維であるオリゴ糖灘尾が含まれたものです。どちらも腸の働きを促進する効果があるため、便秘解消に良いとされています。
お家でできる、便秘解消のためのケア
嘔吐する前に猫の便秘を解消させる方法
早めにケアしてにゃ!
猫の便秘マッサージ
マッサージはもちろん便秘の症状が軽いときに、行うようにしましょう。便秘気味の猫はできるだけ毎日マッサージをしてあげましょう。
水分を多くとらせる
猫が犬よりも便秘が多いのは、水分摂取量が少ないのも原因のひとつです。猫にお水を飲ませるために以下の工夫をしてみましょう。冬場は特にお水を飲む量が減るので、注意が必要です。
・水飲み場を増やす
・水を与える容器を陶器に変えてみる
・食事に水分を含ませる
・常に新鮮な水を与えるようにする
*最近では、常に新鮮なお水が飲めるように自動給水機も普及しています。
ペット給水機/ウォーターボトル/自動給水器
猫のお水の好みは、食事同様猫でさまざまです。試行錯誤して、猫に一番お気に入りのお水の飲み方、飲み場所を探してあげることが大切です。
食事を変える
一般食で食事を選ぶ基準としては、消化に悪い穀物の使用を控えているものや、減量目的でサツマイモなどの食物繊維を含むもの、アレルギー を考慮してタンパク質を低アレルギーのものに差し替えているものなどが挙げられます。
ただし、治療として処方食への変更が必要な場合は、獣医師の指示のもとフードを変えるようにしてください。
便秘ケア!マッサージ方法
愛猫に便秘の傾向が見られたら、なるべく早い段階で改善してあげることが大切です。ここでは、便秘対策として取り入れたい、飼い主さんにもできる”腸マッサージ”の方法をご紹介します。
ただ、マッサージを好まない猫も多いので、無理にやる必要はありません。
やり方
1、まずは猫をリラックスさせよう
猫がくつろいている時に、頭などをなでてリラックスさせましょう。いきなり冷たい手で触るのではなく、両手をこすり合わせるなどして、手のひらを温めてから撫でてあげると◎
2、そっと脇腹を揉んであげよう
猫の脇腹を優しく揉んであげることで、直接腸を刺激します。手を前後に動かしながら、お腹の辺りを全体的に揉むのが、ポイント。強い力をかけると猫が嫌がるので注意してください。抱っこができる猫なら、あおむけにチャレンジ!
便秘ツボ
膝の上で後ろから抱えるような姿勢でリラックスさせ、親指をのぞく4本の指先で、”おへそ”を中心に「の」の字を描くように優しく撫でてあげましょう。
人と同様に、猫にもツボがあります。その中から、便秘解消に効果があると言われるツボを紹介します。
◇百会(ひゃくえ)
整腸作用や免疫力の向上に効果があるといわれている百会は、背骨と腰の横幅が一番広いところが交差する、指で押すと少しくぼんでいる場所にあります。人差し指で5回ほど押すのを2~3セット行いましょう。
◇神門(しんもん)
神門は、腸の働きをよくする作用があります。前足のポコっとでた部分のそばにある、少し押すと凹む部分が神門です。小さなツボなので、30秒程度なでるように優しく力をかけましょう。
この他にできる便秘対策
愛猫好みのトイレを用意して清潔に保とう!
猫がウンチを我慢する理由としては、「トイレが汚れている」「トイレの容器や砂が好みでない」「人の目に触れて落ち着かない」などがあります。ウンチを我慢していると、やがては便秘の原因になることがあるため、愛猫が気持ちよく排泄できるよう、清潔で整ったトイレ環境を用意してあげることが大切です。
毎日適度に運動させよう!
猫も人と同じように、あまり体を動かさないでいると腸の動きが弱なり、便秘につながりやすくなるため、適度に運動させましょう。あまり動かないタイプの猫であれば、飼い主sなんがおもちゃなどを使って、1日5分程度でも良いので遊んであげてください。
愛猫に合ったフードを選ぼう!
便秘気味の猫の食事を変えただけで、便秘が悪化してしまうケースもあるほど、便秘の猫にとって食事内容は大切です。便秘気味の猫に必要な食事は以下の通り。
・食物繊維
・腸内環境を整えてくれるもの
・低アレルギーのもの
しかし、ひとくちに便秘といってもタイプは様々です。そのため、便秘対策用のフードも、水に溶ける可溶性繊維が豊富なものや、水に溶けない不溶性繊維が豊富なものなど、猫の便秘のタイプに合わせたものが多数販売されています。
フードを選ぶときは、便秘のタイプに合ったものを正しく選ぶ必要があるため、愛猫が便秘がちな場合は、一度獣医師に相談してみると良いでしょう。
猫が便秘のときに与えて良いもの&ダメなもの
人が便秘のときには食物繊維を多く取るのが良いと言われていますが、猫が便秘の場合、与えると効果的な物や、逆に与えてしまうと便秘を促進させてしまうものがあります。
○与えて良いもの
ペット用の乳酸菌/オリゴ糖のサプリメント
乳酸菌もオリゴ糖も腸の働きを良くしてくれます。与える場合は、ビオフェルミンなどの人用のものではなくペット用のものに限り、用量を守って与えましょう。
△獣医師に要相談
ヨーグルト/牛乳/イモ/食用油 など
いずれも便秘解消の効果が期待できる反面、下痢を引き起こす危険もあります。猫の体質にも関係するため、与える際は必ず獣医師に相談してください。
✖️与えてはダメ
ねこ草 など
これらには不溶性繊維が多く含まれています。不溶性繊維は腸を刺激して働きを促す一方で、ウンチを硬く大きくしてしまう作用があります。逆効果になることもあるため、与えてはいけません。
猫の便秘にオリーブオイルは与えて良いの?
オリーブオイルをはじめ、亜麻仁油、ごま油などは”自然の便秘薬”とも呼ばれ、便通をよくする効果が期待できます。フードやティースプーン1杯ほどを混ぜて与えてみてください。ただし、与えて良いのは、植物性の油のみ。獣医師のアドバイスのもとに与えることが前提です。馬油やフィッシュオイルは避けましょう。
まとめ
猫の便秘は病気です。便秘というと、あまり重篤な病気のイメージはないかもしれませんが、ヒトと同様猫にとっても辛いことです。また便秘が悪化すると緊急性が高い病気となります。普段から猫がどのくらいのペースでうんちをしているのか、どんな形状のウンチをしているのか、硬さや量はどれくらい出ているのかなど、日頃のうんちチェックの習慣をつけることが、病気の早期発見につながります。もし、うんちがコロコロしている様子や嘔吐、猫が踏ん張る様子が辛そうであれば、便秘対策をはじめましょう!